Oneworld Explorer - 計画編
Created at 2018/12/12 12:44:00and last updated at 2018/12/23 8:48:47bynikorisoft
このエントリは、カレーのち ぴょこりんクラスタ Advent Calendar 2018 のために書かれたものです。
煽り要素は何もありません。よろしくお願いいたします。
Introduction
oneworld Explorerとは、賢明なる読者諸兄にあっては説明するまでもありませんが、航空アライアンスの一つであるoneworldの世界一周運賃です。
今回は、個人的に2018年のテーマとして、oneworld Explorerを利用した世界一周を行いましたので、その適当な計画について書いてみたいと思います。 その計画とは、この世界一周で獲得するFOPを最大化することです。正確に言えば、FOP単価を最小化することです。
Motivation
FOP単価を最小化すると何がいいのでしょうか。そもそも、FOPって何でしょうか。
FLY ON ポイント(通称FOP)は、JALに対する忠誠度を表すパラメータであり、この値が一定値に達するごとに、航空会社から何らかのrewardが得られるというものです。ANAでいうところのプレミアムポイント、UAでいうところのPQM、AAでいうところのEQMです。これをひたすら貯めることを修行と呼んだりします。詳しくは、JGC修行やらSFC修行やらでGoogle先生に質問すると、膨大な量の怪文章が見つけられることでしょう。
世界一周旅行は当然飛行機にたくさん乗るわけで、この修行にはうってつけといえるのではないでしょうか。実際、どのくらいポイントを得ることができるのか、それを検証することが今回の目的です。また、その効率がよければ、少ないコストで魂のステージ(JMBステータス)を上げることができるというわけです。これらの検証がこれから修行する方々の一助となれば幸いです(後付け)。
まずは、定性的に、JGC修行に世界一周旅行を組み込むことには、以下のようなメリットがあります。
- ビジネスクラス以上を使うことができるので、ラウンジを使うためにラウンジを使えない旅を延々続けなければならないという修行時のよくあるジレンマをクリアすることができる。
- 世界一周旅行ができる (あたりまえ) -- ある意味不毛な沖縄往復を繰り返す必要がありません。
- 一度の旅行でJGCの条件であるJMBサファイアに達することができるかもしれない。
デメリットとしては、
- 世界一周をする必要があるので、それなりの日数の連続した休暇が必要。
- 中断することもできるが、その場合、追加の航空券を購入する必要がある。
- JALを使えるのは、普通に計画すると2回程度、がんばって5,6回のはずなので、FOPの全ポイントとしてはサファイア条件を満たしても、JALグループ分が足りなくなる可能性がある。
があります。
なんか使えない気もしてきますが、とりあえずがんばって計算してみましょう。
なお、本来はちゃんと最適解を計算するのが理想なのでしょうが、アルゴリズムとかよくわかりませんし、そもそも必要十分なデータを集めるほうが大変なので、今回はヒューリスティックもしくは主観で適当に行きたいと思います。
Disclaimer
さて、下記は、2018年2月の段階の検討結果を示すものであり、その後のルール改訂がもしあった場合この限りではないこと、そもそも下記は筆者の理解に基づくものであり、航空会社およびoneworldの公式見解ではないことをお断りしておきます。従いまして、下記の記述によって起きたいかなる損害等について、筆者はその責を負いません。
と一応書いておきます。
Fare
他の航空アライアンスも同様の運賃がありますが、oneworld Explorerの良い点は、総マイル数の制限がないことです。すなわち、oneworld Explorerの運賃は、下記のファクターによってのみ決まります(燃料サーチャージ、空港利用料や税金等は除く)
- 座席クラス (ファースト・ビジネス・エコノミー)
- 大陸数
- 旅行開始国 (担当航空会社?)
詳細な値段は、どこにも書いていませんが、実際に、oneworld Explorerのサイトで旅程を入力すると値段が出てきます。 また、JAL出発の場合では、世界一周堂に書いてある値段の通りのようです。
座席クラス
さて、まずは、どのクラスが一番効率が良いのでしょうか。実際の運賃クラスは下記の通りです。
- エコノミー: L (50%)
- ビジネス: D (125%)
- ファースト: A (150%)
価格差を見ると、明らかにファーストは効率が悪いことがわかります。また、ビジネスとエコノミーの価格差を見ると、ビジネスが一番効率が良いことがわかります。
なお、ビジネスの3大陸には、I (70%)という恐怖の設定もあるようですが、どういう場合にそれが選ばれるのかはよくわかりません。自分の今回の航空券はDでした。
大陸数
大陸は、
- アジア
- ヨーロッパ・中東
- 北米
- 南米
- オセアニア
- アフリカ
の6つです。大陸数を増やしても、乗れる飛行機の数の最大値が増えるわけではないですし、運賃も増加するので判断が難しいところです。
よくわからないので、今回は3大陸が一番効率が良いと仮定しました。FOPという観点からすると、オセアニアを入れたほうが効率が良い可能性もありますが、価格差がそれに見合うかどうかがわかりません。今後の課題といたしましょう。
旅行開始国
oneworld ExplorerのJAL、AA、CXの3つで比較してみましたが(ビジネスのみ)、明らかにJALだけが安かったので、日本に住んでいる場合には、 JALにするのがよいのではないでしょうか。
ただし、後述するように、出発国には終了時以外入れなくなるので、JALグループポイントを最大化するためには若干不利になるとも考えられます。JALグループポイントを考慮した場合は、やはり今後の課題としておきます。
Rule
さて、次はルールです。ルールがあるから、最適化しがいがあるというものですね。 公式のルールブックは、oneworld Explorer Fare Rules Doc です。リンクが死んでいる場合は、oneworld Explorerのトップページからたどれるはずです。
下記の番号は、筆者が適当にカテゴライズしたもので、ルールブックに番号が振られているわけではありません。
まずは、原則です。
- (R1) 最大で搭乗可能な区間は、16区間である (最小は3区間)
- (R2) 本航空券以外での空港間移動は、陸路移動として、1区間として数える
- (R3) 大陸間の移動は1回のみであり、すでに通った大陸に入ることはできない (南米やアフリカで例外あり)
- (R4) 大西洋・太平洋横断は東向きか西向きかのどちらかのみである
- (R5) 同一都市間・同一方向は2回以上使うことができない
- (R6) 各大陸内では、最大で4区間に乗ることができる(大陸内であれば世界一周と逆方向に飛ぶのも可)
- (R7) 一つの国では、最大3回まで国際線乗り継ぎが可能 (アメリカとカナダ間は国際線とみなさない)
- (R8) ストップオーバーは少なくとも2回。出発大陸では、2回まで。
次に、開始点に関わる規則。
- (O9) 開始点と終着点は、原則として同じ国でなければならない (アメリカとカナダは可などいくつか例外あり)
- (O10) 開始点を経由することはできない
- (O11) 開始国からの国際線出発・開始国への国際線到着は、それぞれ1回まで
なお、北米では、下記のような例外があります。(NA12)については、オーストラリアで同様の制約がありますが、ここでは割愛します。
- (NA12) 北米は、R5の例外として、最大で6区間まで可能である
- (NA13) 北米は、大陸内横断(ルールで空港が定義されている)のノンストップは1回のみである
- (NA14) ハワイから北米の他空港へのバックトラックはできない
最後に航空会社の制約です。
- (A15) 使える航空会社は、コードシェアの場合を含め、oneworld加盟会社が運航しているもののみ (例外あり)
それでは順に見ていきましょう。
(R1)(R2) 最大16区間、陸路移動規定
まず、この航空券で使えるのは、最大16区間ということです。今回の目標からすると、16回使わないという選択肢はないでしょう。また、同じ理由で陸路を使うという選択肢も基本的にはないはずです。
ここで注意すべきは、同一都市であっても異なる空港での乗り継ぎは、1区間を陸路移動として消費してしまうことです。 東京でいえばNRT・HND、ロンドンではLHR, LGW, LCY、ニューヨークではJFK, EWR, LGAなどがあります。 ですので、乗り継ぎは同じ空港になるように注意するべきでしょう。oneworld加盟会社を利用するので、LCCのように変な空港を使うことはまずないのですが、それでも上で挙げた都市はすべて利用する可能性があるところです。
(R3)(R4) 一方向制約
今回の検討では、3大陸の場合ですので、特に例外はなく、単に東回りか西回りか、という話になります。つまり、アジア→ヨーロッパ・中東→北米→アジア、もしくは、アジア→北米→ヨーロッパ・中東→アジアのどちらかとなります。 片道しかない経路というのは、たぶんないと思いますので、どちら回りでも対称になるでしょう。気流を考えると東回りのほうが所要時間は短いと思います。
自分の場合は、せっかくだから長く乗れる方を使わないともったいないということと、時差ボケが西回りのほうが回復しやすいと言われていることを考慮して、西回りとしました。
(R5) 同一路線制約
長いルートをひたすら往復して乗り続けるということはできません。とはいえ、往復までは許されるので、大陸内ではどこかを拠点として遠いところを往復する形になるでしょう。とはいえ、大陸内の区間数も限られているので、選択肢は多くはありませんが。
(R6) 大陸内移動制約
3大陸の場合、16区間のうち3区間は大陸横断ということになりますので、残り13区間を3大陸で分けることになります。 ただ出発大陸は、ストップオーバーの制約もあり、使いづらいところがありますので、アジアを3、残りを4と6と配分するのがよい気がします。これも要検討ですね。
(R7) 同一国内での国際線乗り継ぎ制約
この条件は、あまり問題にならない気がします。ほぼすべてが国際線となるであろうヨーロッパやアジアでは、大陸内で合計4路線であることを考えると、この制約にあたることはまずないでしょう。
(R8) ストップオーバー制約
経路探索に組み込みにくい制約です。これは路線のダイヤに依存するためです。 多少観光も考えた世界一周であれば、あるいは、そもそも飛行機の遅れなどに備えてバッファをもっておくことは必要でしょうから、最低回数を満たすことは容易でしょう。
出発大陸におけるストップオーバー回数は、実際のダイヤで計画してみるしかありません。その意味で、出発大陸では3区間にとどめておくと問題が生じにくいかもしれません。
(O9) 出発・終着国
出発と終着は、同一空港である必要はなく、同じ国であればOKです。
(O10)(O11) 開始点・開始国からの国際線
出発国には、一度出発すると最後まで戻ってくることはできません。つまり、いくらJALのアジア便がFOP1.5倍であったとしても、3回以上乗ることはできないでしょう。
(NA12)(NA13)(NA14) 北米大陸内の区間数
他大陸とは異なり、北米大陸内では6区間まで乗ることができます。がんばりどころではありますが、残念なことに、ハワイは使い物になりません。 また、大陸横断は1回しか使うことができないので、慎重に選ぶ必要があります。
ただし、ここで禁止されているのは、直行便のみですので、シカゴやダラスなどを経由することで当然、東西を移動することが可能です。 また、いわゆる中米も北米大陸に含まれるので、有効に使うと距離を伸ばすことができそうです。
(A15) 対象の航空会社
対象の航空会社を、あらためて書くと下記の通りです。なお、今回は関係ないので、オセアニア・南米は省きます。
- 北米関係
- American Airlines (AA)
- ヨーロッパ関係
- Finnair (AY)
- British Airways (BA)
- Iberia (IB)
- S7 (S7)
- アジア関係
- Cathay Pacific (CX), Cathay Dragon (KA)
- Japan Airlines (JL), Japan Transocean Air (NU)
- Malaysia Airlines (MH)
- 中東関係
- Qatar Airways (QR)
- Royal Jordanian (RJ)
これらの航空会社が運航するコードシェア便も対象です。逆に言うと、JALの便名が着いていても、これらの運航でないと使うことができません。たとえば、日本国内線のジェットスター・ジャパン(GK)運航のJL便は使うことができません。
今回の検討では、コードシェアの利用を忘れていたので、基本的には運航会社の便名で購入してしまいました。これをうまく利用すればもう少しFOPを増やしたり、JALグループ分を増やすことができた気がいたします。とはいえ、本当に、任意のコードシェア便名で購入できるのかはよくわかりませんので、皆様、試してみてください。
Tool
Route Planner
まず、どんなルートが存在しているのか知らないことには、検討することができません。 そのために利用可能なのが、何より、oneworld Explorerのサイトにある計画ツールです。 ここでルート選定・便選択までできます。何より、条件を満たさないとルートではちゃんとエラーを吐いてくれます。
ここで購入もできるようですが、いろんな問題があり(実践編で後述)、購入はうまくいかない気がいたします。
Mileage Calculation
では、あるルートでどれだけのFOPが入るかを知るにはどうしたらよいのでしょうか。JAL運航の範囲については、
- 皆様おなじみのJAL マイレージバンクのページ
で調べることができます。それ以外については、筆者の計画においては、
を利用しましたが、正確な値ではありません。とはいえ、十分今回の検討には役に立つかと思います。
なお、後で気づいたのですが、
というページがJALに用意されており、これをベースに計算するのが一番精度良かった気がいたします。
この辺の評価も、実践編でやってみたいと思います。
Route
では、ルートを検討してみましょう。 まず決めるべきは、大陸間移動の3区間です。
基本的には、距離を稼げばよいので、西回りであれば、出発大陸のなるべく東から、到着大陸のなるべく西に行くような区間を選べば良いことがわかります。 もちろん、その大陸内移動が最長にならない可能性もあるので、必ずしも最適解ではないかもしれませんが、まあよい近似ではないでしょうか。
大陸内移動は、大陸間移動により、到着地と出発地が確定するので、それらをベースに考えることになります。 北米を除いて、それぞれの航空会社は、特に国際線については、ハブとなる空港(都市)がたいてい一つとなりますので、自然とかなり制約が出てきます。例えば、ヨーロッパ・中東では、DOH・LHR・HEL・MADが拠点となるでしょう。
大陸間移動(1): アジア~ヨーロッパ・中東
では、最初の大陸間移動である、アジアからヨーロッパ・中東です。候補は、JL/CX/AY/BA/MH/IBです。
それぞれの運航している最遠地を検討してみましょう。
航空会社 | 起点 | 空港 (マイル) |
---|---|---|
CX | HKG | LHR (5990), MAD (6540), CDG (5970) |
AY | HEL | HKG (4860), TYO (4850), FUK (4710), KIX (4800) |
BA | LHR | TYO (5950), HKG (5990) |
MH | KUL | LHR (6550) |
IB | MAD | NRT (6690) |
ということで、NRT - MAD、KUL - LHR、HKG - MADが候補になってきます。
アジア内移動
では、アジア内をどう移動するかです。起点は日本です。
FOPの観点からすると、日本国内線(2倍)を利用するかが問題になります。なお、ビジネスクラスの場合は、クラスJ (110%)となります。
国内線を利用する場合
ここで、NRTとHNDの分離が問題になってきます。例えば、NRT - MADを利用するとして、その前に国内線を利用することとします。陸路での消費を防ぐためには、当然NRT到着の国内線を利用することになります。 JAL/JTAが運航している国内線の中で、NRT発着で最も遠いのは、FUK (567マイル)ということで、インパクトが足りません。
では、逆に到着時に使うとするとどうなるでしょうか。SINなどからのHND到着にすることで、HNDからの国内線を利用することができます。 つまり、HND-ISG (1224マイル) を使うことができます。ただし、HND着の国際線はある程度限られるという問題はあります。事実上、SINということになるでしょう。
まとめますと、国内線を利用する場合の最長と思われるケースは、下記の通りです。(後述する大陸間移動(3)の議論により、アジア到着地はHKGとします)
# | 出発地 | 到着地 | マイル | FOP (ビジネス) |
---|---|---|---|---|
1 | NRT | MAD | 6795* | 8894* |
14 | HKG | SIN | 1600 | 2000 |
15 | SIN | HND | 3312* | 6610* |
16 | HND | ISG | 1224* | 3092* |
(*は、JAL FOP計算ページの結果による。以下同じ)
で、アジア区間の合計は、20,596となります。
国内線を利用しない場合
国内線を利用しない場合を次に考えます。アジア・オセアニア路線はFOP1.5倍ですから、まずは日本からJALを使うことになります。
JALが運航している日本から最も遠い路線は、CGK (3612)・KUL (3338)・SIN(3312)をさしおいて、DEL (3656)となります。 ただし、日本には戻れませんし、DELからKULへの直行便はありませんので、この場合、大陸間路線は、必然的にHKG - MADということになるでしょう。
従って、下記の通りです。
# | 出発地 | 到着地 | マイル | FOP (ビジネス) |
---|---|---|---|---|
1 | NRT | DEL | 3656* | 7255* |
2 | DEL | HKG | 2340 | 2925 |
3 | HKG | MAD | 6540 | 8175 |
16 | HKG | CTS | 2120 | 4375 |
この場合のアジア区間の合計は、22,730 FOPとなります。結局のところ、国内線を利用しないほうが、効率が良いということになるでしょう。 (第16区間のHKG-CTSは、CX便をJL便として購入した場合です)
大陸間移動(2): ヨーロッパ・中東~北米
この大陸間移動は簡単です。まず、ヨーロッパと中東は同じ大陸扱いですので、当然北米に行くには中東から行った方が距離が稼げるということに なります。 中東で最も遠いのは、当然QRのDOHということになりますので、DOHからどこが一番遠いかという問題になります。
この解は、かなり明らかで、DOH - LAX (8290マイル)が一番遠いと考えられます。
ヨーロッパ・中東内移動
さて、当然ながら、この大陸は中東とヨーロッパを基本的には往復することになります。 ヨーロッパのoneworld加盟航空会社のハブである、MAD, LHR(とEDI), HEL、ついでにDMEとの距離は下記の通りです。
- MAD (3310)
- LHR (3250), EDI(3340)
- HEL (2730)
- DME (2190)
といっても、最終的にはDOHから出なければなりませんので、ヨーロッパ内で1区間乗る必要があるでしょう。 試行錯誤した結果、結果的には下記の形が一番長そうです。
# | 出発地 | 到着地 | マイル | FOP (ビジネス) |
---|---|---|---|---|
4 | MAD | DOH | 3310 | 4137 |
5 | DOH | MAD | 3310 | 4137 |
6 | MAD | HEL | 1830 | 2687 |
7 | HEL | DOH | 2730 | 3412 |
8 | DOH | LAX | 8290 | 10362 |
ということで、ヨーロッパ・中東区間では、24,735 FOPとなります。(第6区間はJL便として購入した場合)
大陸間移動 (3): 北米~アジア
北米・アジア路線と聞くと、まず、シンガポールを思い浮かべてしまいますが、残念ながら、シンガポール航空はStar Allianceであるため、その手を使うことはできません。
oneworldの航空会社を考えると、必然的にCXかMHということになります。ですが、MHは、アメリカ・カナダには飛ばしていないため、結局CX、つまりHKGということになります。AAは日本・中国・香港・韓国のみのようですので、結局のところ香港ということになります。
HKGからの距離を考えると東海岸が好ましいのですが、ではどこがよいのでしょうか。
結論から言うと、下記のいずれかとなります。(JFK, EWRは実際はNYCとして同マイルで計算されていそうですが)
- BOS (7950)
- JFK (8050)
- EWR (8040)
- IAD (8130)
まあだいたい似たような値ですね。あとは北米内をどう移動するかにかかってきます。
北米内移動
起点はLAX、終点は東海岸のいずれかで、6区間という条件です。 ただし、大陸横断は一回しか使えないという制約がありますので、ヨーロッパ・中東のように、単純に往復を繰り返すわけにもいきません。
いろいろと考えた結果、打開策としては、中米(北米扱い)とアラスカを使うこととなりました。 地理的に詳しくないので、これ以外にもあるかもしれませんが、利用するのはジャマイカとベリーズです。
以下がその結果です。ここは、他の区間以上に詰めていないので、よりよいケースがきっとあるでしょう。
# | 出発地 | 到着地 | マイル | FOP (ビジネス) |
---|---|---|---|---|
9 | LAX | ANC | 2340 | 2925 |
10 | ANC | LAX | 2340 | 2925 |
11 | LAX | MBJ | 2700 | 3375 |
12 | MBJ | LAX | 2700 | 3375 |
13 | LAX | BZE | 2170 | 2712 |
14 | BZE | BOS | 1990 | 2487 |
15 | BOS | HKG | 7950 | 9937 |
ということで、合計は27,736 FOPとなります。
なお、LAX-ANCは季節運航(夏)、LAX-MBJとLAX-BZEは季節運航+土日のみなどかなり制約が大きいです。 BZE-BOSは、2018年夏ダイヤでは確かにあったと思うのですが、今調べるとよくわかりません。まだ12月なので2019年夏のダイヤの季節運航のものの詳細はまだ出ていないからかもしれませんが。
合計
以上を合計しますと、75,201 FOPです。
なんとサファイアどころかJGCプレミアも夢じゃないレベルですね。
とはいえ、最初のほうで述べましたように、JALグループ便カウントとなるのは、コードシェアを最大限利用できたとして、 第1区間・第6区間・第16区間のわずか3つ、14,317 FOPとなります。 JALカードボーナスを含めても、あと1 OKAくらいは必要そうです。まあその程度まで一回の航空券で稼げると前向きに言うこともできます。
まとめ
ということで、思った以上に長くなってしまいましたが、今回は計画編として、oneworld Explorerを利用してFOPをなるべく多く得る方法を 検討しました。
その結果、得られたルートは、 NRT-DEL-HKG-MAD-DOH-MAD-HEL-DOH-LAX-ANC-LAX-MBJ-LAX-BZE-BOS-HKG-CTSとなりました。
当初の問題設定であるところの効率という点を検討すると、656,300円 / 75,201 FOP = 8.73円/FOPとなります(税金等含まないので注意)。税金等含めると10円程度になってしまうと思いますが、それでもまあまあいい方だと思います。
もちろん、修行という観点からすると、もっと効率の良い方法があるでしょうし、効率というのもいろいろな観点があります(そもそも今回は時間効率は度外視しています)。
そんなわけで、今回の結論を参考にしつつ、いろいろと楽しいoneworld Explorer旅程を組んでいただければと思います。 よりFOPの多いルートを発見したり、ちゃんと最適解を求めたりするのも楽しいでしょう。
なお、一点注記しなければならないのは、筆者はこの結論のルートを利用して いません 。まあ見ればわかりますが、いろいろと現実的でなかったり、いろんな意味でリスクがあると思いましたので、もう少しFOPの少ないルートで世界一周を行いました。それについては、実践編ということで、別の記事で書きたいと思います。
おまけ
oneworld Explorerで利用してみたい比較的変わった便としては、以下のものがあります。
BA 1
- 区間: LCY - SNN - JFK
- 機材: A318
専用機材で運用されるBritish Airwaysのロンドン~ニューヨーク便です。
変わっている点は、
- ロンドンのいくつかある空港のうちLCY(London City Airport)を使う
- すべてビジネスクラスである
- 給油のためにSNNを経由する
- SNNでアメリカのpre-clearanceを受ける(=JFKでは国内線到着扱いになる)
というところです。ビジネスクラスしかないので、oneworld Explorerみたいなもので乗るにはうってつけということができるでしょう。 問題は、LCYなので、乗り継ぎ便をLCY着という限られたものにするか、泣く泣く陸路移動を使うかということになってしまうことでしょう。 また、FOPという観点からすると、ただのイギリス~東海岸なので、全く効率の良いルートではありません。
CX 888 / CX 865
- 区間: HKG - YVR - JFK (CX888) / JFK - YVR - HKG (CX 865)
- 機材: B77W
YVR - JFKだけでも利用することができるCX便です。北米大陸内移動で、AAに飽き飽きしてきたときに使うとよいでしょう。 ただの国際線扱いの飛行機となりますので、CX 888は、Vancouverでpreclearanceを受けることはできません。 普通に、JFKでの入国審査となります。
また、ちゃんと国際線の機内サービスがあるのですが、いかんせん北米大陸横断は中途半端な長さなので、寝る間もほとんどなく着いてしまいます。