ミズーリ州の歩き方 (主にセントルイス周辺)

このエントリは、平穏な生活を送りたいぴょこりんクラスタ Advent Calendar 2022のために書かれたものです。

二つ前のエントリでうまくいけば旅行記録システムによって生成されてレポートを紹介するという話をしましたが、まあ当たり前ですが間に合うはずもなく、今回は手で書いたレポートです。敗因は当然ながら、12月のこれまでの週末をすべて旅行で埋めてしまったことです。そんな状態で新たに実装なんてできるわけないですよね。

今回は修行のところで述べた旅行のどれかを書こうと思ったのですが、それはそれで10-12月の比率が多くなってしまうので、6月から9月に滞在していたアメリカのミズーリ州(主にセントルイス周辺)について紹介していこうと思います。

What is Missouri?

ところで、そもそもミズーリ州をご存じでしょうか。アメリカの中西部に位置する州で、シカゴを擁するイリノイ州の西隣に存在します。

項目
略称 MO
人口 615万人 / 19位 (2020年)
面積 18万km2 / 21位
州総生産 $299B / 22位
州都 Jefferson City
最大都市 Kansas City
最大都市圏 Greater St. Louis

実に中途半端でこれといった特徴がない州と言ってしまいたくなります。いろんなものが20位前後ですね。最大都市はカンザスシティですが、ミズーリ州で一番有名な都市は、やはりセントルイスではないでしょうか。

州の名前はこれによれば住んでいた原住民の民族の名前 Missouris から来ているそうで、その意味は(大きな)カヌーに関係する感じのようです。

歴史を振り返ると(あまり詳しくないので適当な説明ですが)、アメリカに帰属したのは、第3代大統領トーマス・ジェファーソンの時、1803年のLouisiana Purchaseによってナポレオンのフランスから購入したときからです。

ルイジアナという名前ではありますが、このフランス領ルイジアナは、ミズーリのみならず、アーカンソー・アイオワ・オクラホマ・カンザス・ネブラスカの全体、ダコタ・モンタナ・ワイオミング・コロラド・ミネソタ・ニューメキシコ・テキサス・ルイジアナの一部というかなり広大な土地です。まあ今もってこれらの領域に何か目立ったものがあるかというと微妙ですが。

その後、ミズーリ妥協と呼ばれる奴隷州と自由州に関するアメリカ連邦議会での協定を経て、1821年に州に昇格してミズーリ州となりました。このあたりで定められた南北ラインがのちの南北戦争の原因に係わってくるので、このあたりはちゃんとアメリカの歴史は短いとはいえ、ちゃんと理解してないといけないなあと思うところであります。

まあそんなわけで、ジェファーソンとのつながりがあるからか、州都もジェファーソン・シティという名前になっています。

主要都市

セントルイス (St. Louis)

Kiener Plaza Parkから (2022年8月撮影)
Kiener Plaza Parkから (2022年8月撮影)

ミズーリ州の東端、イリノイ州との州境に位置します。ミシシッピ川が州境となっていますが、対岸のイリノイ州の市はEast St. Louisと呼ばれ、事実上州にまたがって一つの都市圏を構成しています。

City of St. Louisの人口は約30万人(2020)で、ミズーリ州では2番目の都市となっています。ただし前述したとおり両州の周辺の市を含むGreater St. Louisとしてはおよそ280万人の人口で、ミズーリ州では最大の都市圏となっています。・・・なお、この都市圏もアメリカとしては20番目の大きさだそうです。(ちなみに、Wikipediaの記述によれば、1位はニューヨーク・ニューアークで2358万人、2位はロサンゼルス・ロングビーチで1864万人、3位はワシントンDC-ボルティモア-アーリントンで997万人らしいです)

カンザスシティ (Kansas City)

Kansas Cityのダウンタウン (2022年7月撮影)
Kansas Cityのダウンタウン (2022年7月撮影)

対して、ミズーリ州の西端、カンザス州との州境に位置するのがカンザスシティです。紛らわしいことこの上ない名前なんですが、さらに話を複雑にするかのように、カンザス側の市もカンザスシティとなっており、やっぱり一つの都市圏を構成しています。

人口は約50万人 (2020)で、ミズーリ州では最大の都市です。ちなみに、名前に反して、カンザスシティとしてもミズーリ側のほうが主になっています。ちなみに、カンザス州の最大都市はWichitaで州都はTopekaですが最大都市圏はこのカンザスシティエリアです。もうわけがわからないですね。

ジェファーソンシティ (Jefferson City)

Amtrak車内から State Capitol (2022年7月撮影)
Amtrak車内から State Capitol (2022年7月撮影)

主要都市といえるかどうかはわかりませんが、まがりなりにも州都なのでここであげないわけにはいかないでしょう。人口は4万人で州内15位というなかなかの順位です。ちなみに、州都としては42位のようです。下にずいぶんいるものですね・・

その他

となると3位の都市が気になりますが、スプリングフィールド(人口:17万人)です。ややこしいことこの上ないのですが、隣のイリノイ州の州都もスプリングフィールド(人口:11万人)です。

交通

やはり欠かせないのが交通についてです。

高速道路 (Interstate)

州内を走るInterstateで最も重要なのは、やはりSt. LouisとKansas Cityという二大都市を東西に結ぶI-70でしょう。もちろん番号からわかる通り、これはそもそもアメリカ大陸を東西に貫く主要道の一つであり、西の端点はユタ州、東の端点はメリーランド州ボルティモア、全長3400km以上となっています。

もう一つはI-44でしょうか。こちらはセントルイスとテキサス州を結ぶもので、全長1000km以上と、I-70とか80とか90とかと比べると短く感じますが、それでもかなりの長い道路です。

空港

後に述べる鉄道と違って、アメリカでは主要都市にはだいたいあります。

St. Louis Lambert International Airport (STL)

St. Louis Lambert International Airport (STL) (2022年8月撮影)
St. Louis Lambert International Airport (STL) (2022年8月撮影)

セントルイスの主要空港です。小さい地方空港と思いきや、滑走路は4本ありますしターミナルも2つあります。一つはSouthwest専用ですが。

そしてまた驚くべきことに、鉄道アクセスがあります。後述するMetroLinkのRed Lineが空港まで伸びており、これを使うことでセントルイスのダウンタウンまで行くことができます。すごいですね。

さらに驚くことに国際線もあります。国際線といってもカナダだけみたいな肩透かしな物ではなく、ルフトハンザが何を考えたのか、2022年6月からフランクフルト便を就航させています。逆に言うとカナダ以外はそれだけなんですが、それでも驚きですね。どういう背景があるのかはわかりませんでした。(Wikipediaによると、シグマ・アルドリッチやモンサントといった化学系の企業がドイツ系企業に買収され、これらの支援を受けているもののようです)

乗客数でいえば、日本でいうとだいたい中部国際空港くらいみたいのようです。

Kansas City International Airport (MCI)

カンザスシティのほうの空港です。結局この空港は使ったことがないのでどんな感じかはわかりません。こちらも3本も滑走路あるんですね。

こちらは残念ながら鉄道の接続はないですが、ちゃんと土休日も運行しているバスがあります。24kmしかないのですが路線バスなので1時間もかかるようです。なお、このKansas City Regional Transitのバスは2023年まで無料みたいです。

なお、乗客数でいうと、鹿児島空港くらいでしょうか。

Springfield-Branson National Airport (SGF)

第3位の都市のスプリングフィールドの空港です。ここまでくるとかなり小さい空港のようです。滑走路は2本ありますが。これも使ったことはありません。

そしてまた、公共交通機関アクセスがあるはずもありません。

乗客数だと旭川空港くらいなんですかね。

鉄道

都市間鉄道 (Amtrak)

まずは都市間鉄道についてです。これを担うのはAmtrakしかありません。

Kansas City Union Station (2022年7月撮影)
Kansas City Union Station (2022年7月撮影)

州内をつなぐ路線としてMissouri River Runnerがあります(1日2往復)。これは、二大都市たるKansas CityとSt. Louisの465kmを6時間弱(遅れは含まない)で結ぶ路線です。2022年8月あたりに2往復に戻ったので、St. LouisからKansas Cityに日帰りができるようになりました。滞在時間は2時間(遅れは含まない)しかありませんが。

一部の列車(現状1往復)はLincoln Serviceとして、ChicagoとSt. Louisをそのまま走行します。Kansas CityからChicagoまで乗るとおよそ12時間弱(遅れは含まない)かかることになります。

St. Louis Gateway Station。新型車両 (2022年7月撮影)
St. Louis Gateway Station。新型車両 (2022年7月撮影)

ちなみに、車両は一部新しいのが導入されており、Amtrakとは思えないモダンな印象を受けました。6時間しか走らない路線で平気で2時間とか3時間とか遅れるので、そのあたりは何も変わってないんですが。

その他に州内を通る路線としてSouthwest Chief (1日1往復)、Texas Eagle (1日1往復)があります。Southwest Chiefは、ChicagoとLos Angelesを結ぶ路線でKansas Cityを通ります。Texas Eagleのほうは、ChicagoとSan Antonioを結ぶ路線で、St. Louisを通ります。ChicagoとSt. Louisの間はLincoln Serviceと同じですね。

どちらも沿線の州内の2,3駅を通る程度で州内の移動にはあまり使えない路線です。

St. Louis周辺鉄道

Red LineとBlue Lineという2つのライトレール路線であるMetroLinkと、Loop Trolleyという市街電車があります。

Red Line@Lambert Airport Terminal 2 (2022年7月撮影)
Red Line@Lambert Airport Terminal 2 (2022年7月撮影)

MetroLinkはGreater St. Louis都市圏にまたがるライトレールで、前述したとおりミズーリ州とイリノイ州の両方にまたがっています。 路線図を見るとわかるとおり、西側(ミズーリ側)の終点が二つに分かれており、空港に行く路線がRed Line、郊外のShrewsbury(I-44との交点)に行く路線がBlue Lineです。セントルイスのダウンタウンを通ってミシシッピ川を渡って、東側(イリノイ側)の終点は、Shiloh-ScottでScott空軍基地のあるところになっています。ただし、Blue Lineは途中のFairview Heightsで折り返しとなります。

Blue Line@Shrewsbury-Lansdowne I-44 (2022年6月撮影)
Blue Line@Shrewsbury-Lansdowne I-44 (2022年6月撮影)

なお、この路線は、ほとんどの駅(特にダウンタウン)に警備員を配置しているという、アメリカの公共交通機関としてはなかなか予算がありそうな感じでした。・・・警備員を置く必要があるくらい治安が悪いと、そう言えなくもないですが、少なくともサンフランシスコとかアトランタのほうがよっぽど治安が悪い感じだと思うんですけどねえ。夜とかに乗ってないのでわかりませんが。

結局乗れなかったLoop Trolley@Forest Park (2022年8月撮影)
結局乗れなかったLoop Trolley@Forest Park (2022年8月撮影)

Loop Trolleyは、後述するForest Parkを基点として少し北に通るDelmar Boulevardを西に走ってCity Libraryまでの10駅・2.2 mi(3.5 km)の路線です。もともと2018年に開業したものの経営難で2019年12月に営業中止し、公営に代わりパンデミックなどありようやく2022年8月に営業再開したものです。乗ろうと思って行ったのですが、ホームページとFacebookで言っていることがちぐはぐだったりで、まったく来る気配がなかったので乗るのは諦めました。

いちおう、その2週間くらい前に動いているのは目撃したので、まあもう1回くらいトライすれば乗れたとは思うのですが、なかなかForest parkに来るのも大変だったので、諦めてしまいました。2023年は4月から10月の運転だそうです。これも実用というよりかは、古い路面電車に乗るための観光用の路線ですね。

Kansas City周辺鉄道

KC Street Car@Union Station (2022年7月撮影)
KC Street Car@Union Station (2022年7月撮影)

Kansas Cityには、わずか3kmですが路面電車があります。

こちらはバスと同様に無料で(路面電車については時限措置ではなさそう)、主に観光用という感じです。観光客が多く使うだけあって、St. Louisのそれよりも治安がすごくよい感じがしました。まあいかんせん路線が短いので歩ける距離でしか使えないんですが。

見どころ (セントルイス周辺)

Gateway Arch National Park

人に注目するとサイズ感がわかるかも (2022年8月撮影)
人に注目するとサイズ感がわかるかも (2022年8月撮影)

まずはGateway Archです。いきなりですが、このGateway Archがセントルイス、ひいてはミズーリ州のハイライトです。これ以外は、特にこれといったものはありません。ここさえ行けば、ミズーリ観光としては十分でしょう。

アメリカの国立公園といえば、イエローストーンとかヨセミテとかグランドキャニオンとか大自然のまっただ中のイメージがありますが、このGateway Arch National Parkはその例外ともいえる国立公園です。

セントルイスのダウンタウンに位置し、ミシシッピ川沿いの公園となっており、面積はわずか91 acre(0.36 km2)です。その次に小さいHot Springs National Park(アーカンソー州)の5550 acre(22.5 km2)と比較しても、桁違いに小さいということはわかると思います。ちなみにYellowstone National Park(アイダホ州・モンタナ州・ワイオミング州)は2.2M acre(8,983 km2)、最大の国立公園であるWrangell–St. Elias(アラスカ州)は8.2M acre(33,683 km2)だそうです。スケールが違いますね。(日本で考えると、九州が36,782 km2らしいです)

そして目玉は、上の写真にあるそびえ立つGateway Archです。なにがどうGatewayなのかというと、セントルイスが西部開拓の玄関口であったことによるものです。ホームページによると、これは "a bold monument to the pioneering spirit" (強調筆者) なのだそうです。某社の方は一度訪れた方がいいかもしれませんね。

それはさておき、1967年に開業したこのアーチは高さ630フィート(192m)で、アーチとしては世界で最も高いそうです。・・・確かに高いには違いないのですが、まあ、アーチなんてそんな作らないですよね、普通。このアーチは単なるモニュメントではなく、中に入ることができます。地下に入り口やら開拓の歴史やアーチの歴史の展示室などがあり、なんと上に登るためのトラムの乗車口があります。

トラムと言われているこの乗り物ですが、適切に表現する単語が思い浮かびません。解説の図ほど急ではありませんが、5人のりのカプセル(pod)が8両連なったもので、カプセルが回転して水平をだいたい保ちつつ、アーチの足を登っていく代物です。アーチという特殊な形状であるので、単純なエレベーターやリフトなどの方法では難しかったと説明がありました。

上まで行くと窓が開いており、下記のような光景を見ることができます。これはなかなかいいものです。

アーチの頂点から (2022年6月撮影)
アーチの頂点から (2022年6月撮影)

なお、このトラムは定員が決まっているため、時間指定の事前予約が必要になります。土日は前日くらいだと売り切れていたりするので、数日前に買った方がいいでしょう(予約なしで行っても当日券はあるようですが、自分が行ったときは2時間待ちのようでした)。見学サイクルが完全に決められており、上りが4分、頂上にいられるのはだいたい10分、下りが3分という感じです。東側と西側それぞれにトラムがあり、5分ずらして10分ごとのサイクルが決められていました。

ここへは、前述のライトレール(MetroLink)で来ることができます。8th & PineやLacledes Landing駅を使うのが便利でしょう。

・・・ところで諸事情により、ここは6月と8月の2回行くことになりましたが、まあ1回で十分ですね。ええ。

Old Courthouse

Old Courthouse (2022年8月撮影)
Old Courthouse (2022年8月撮影)

これも厳密にはGateway Arch National Parkの一部です。かつての裁判所でドレッド・スコット事件の公判が1847年と1850年に行われた場所だそうです。

残念ながらリノベーションのため一時公開中止しているため、中に入ることはできませんでした。

Busch Stadium

Busch Stadium (2022年6月撮影)
Busch Stadium (2022年6月撮影)

野球場です。どこかのチームの本拠地のはずです。野球はよくわからないのですが、試合は本拠地と相手チームの本拠地でそれぞれやるので、基本的には半数しかやらないんじゃないんですかね?自分のいた夏期はほぼ毎週土日に試合をしていたように見えましたが、どうなってるんでしょう?(そのおかげで週末の試合前後は、特に道路は非常に混み合いますので、シーズン中にダウンタウンに車でこの周辺に来るのは大変そうです)自分は、ダウンタウンには車で来なかったとはいえ、なんとも迷惑な話です(個人の主観的な自己中心的な感想です)。

Forest Park

Forest Park (2022年8月撮影)
Forest Park (2022年8月撮影)

Forest Parkは、ダウンタウンから少し西に行ったところに位置する大きな公園です。1904年に行われたセントルイス万博の会場にもなった場所です。

この公園には、Missouri History MuseumSaint Louis Art Museumなどの博物館や文化施設、Saint Louis Zooがあります。なんと博物館はいずれも無料です。すごいですね。

Missouri History Museum

Missouri History Museum (2022年8月撮影)
Missouri History Museum (2022年8月撮影)

Missouri History Museumは、南北戦争とかの歴史であるとか、ブルースの歴史とかそういったものが展示されています。 そういえば、The Entertainerで有名なスコット・ジョプリンも10年ほどセントルイスに住んでいたんですね。(The Entertainerが作曲されたのもセントルイスにいた1902年)

ジェファーソン像 (2022年8月撮影)
ジェファーソン像 (2022年8月撮影)

Saint Louis Art Museum

Saint Louis Art Museum (2022年8月撮影)
Saint Louis Art Museum (2022年8月撮影)

Saint Louis Art Museumのほうは、ものすごく大きいわけではないのですが、ヨーロッパ・アメリカの芸術作品だけでなく、世界中のそれを含むいろんなものが展示されています。なぜかエジプトのミイラも何体かあったり(例えばこれ、大英博物館的なアレを想起させられます。なんでこんな片田舎にあるんですかね(これの来歴見るとフランス経由で購入されたものみたいですね)。

ピカソの絵があったり (2022年8月撮影)
ピカソの絵があったり (2022年8月撮影)

基板を使ったアートがあったり (2022年8月撮影)
基板を使ったアートがあったり (2022年8月撮影)

2世紀のローマの石像があったり (2022年8月撮影)
2世紀のローマの石像があったり (2022年8月撮影)

エジプトのアレがあったり (2022年8月撮影)
エジプトのアレがあったり (2022年8月撮影)

個人的には、このSaint Louis Art Museum のほうがおもしろかったのですが、アメリカでわざわざ訪れるほどの価値があるかというと、ここにわざわざ来るならニューヨークのメトロポリタン美術館なり、DCのスミソニアン博物館に行った方が遙かに良いでしょう。

Forest Park自体はMetroLinkの駅 Forest Park-DeBaliviere があるので、公共交通機関で訪れることができます。ですが、一番近くは、Missouri History Museumで、それ以外の施設に行くには広大な公園ですので、20-30分は歩く必要がある点にご注意ください。

あ、動物園は行ってないのでわからないです。

St. Louis Union Station

St. Louis Union Station (2022年7月撮影)
St. Louis Union Station (2022年7月撮影)

セントルイスのかつての中心的な鉄道駅であるUnion Stationですが、それを利用した商業施設です。一番の目玉は、St. Louis Aquariumでしょう。

ちなみに、現在の長距離列車であるAmtrakが発着する駅は、後述するGateway Stationで1から2ブロックほど離れたところにあります。一度間違えました(そのときに撮ったのが上記の写真です)。列車の時刻まで余裕がなかったら、Amtrakが遅れなかったら危なかったところです。

St. Louis Gateway Transportation Center

St. Louis Gateway Transportation Center (2022年7月撮影)
St. Louis Gateway Transportation Center (2022年7月撮影)

観光地というわけではありませんが、AmtrakやGreyhoundなどの長距離移動をする際に使うことになるのが、このGateway Station (Gateway Transportation Center) です。

MetroLink(ライトレール)の駅名はCivic Centerで、Union Stationは隣の駅になります。なんでGateway Transportation Centerとかにしなかったのでしょうね。アメリカの中心駅(特に長距離列車が出る駅)は基本的にUnion Stationという名前であることが多いので、紛らわしいからやめてほしいですね。

Missouri Botanical Garden

Missouri Botanical Garden (2022年6月撮影)
Missouri Botanical Garden (2022年6月撮影)

Missouri Botanical Gardenは、ダウンタウンの南に位置する植物園です。アメリカでも最古の植物園の一つだそうです。

Bleeding Heart@Climatron (2022年6月撮影)
Bleeding Heart@Climatron (2022年6月撮影)

展示面積はおよそ80 acreだそうなので、だいたいGateway Arch National Parkと同じくらいのサイズ感です。いずれにしてもダウンタウンにあるものとしては、結構大きな方ではないでしょうか。

Japanese Garden (2022年6月撮影)
Japanese Garden (2022年6月撮影)

Japanese Gardenもあるのですが、なんとなく広々としていて、いわゆる日本庭園という雰囲気とはちょっと違うなあという印象を受けます。アメリカの陽気さが抑え切れていないとでも表現すれば良いのでしょうか。

池@Japanese Garden (2022年6月撮影)
池@Japanese Garden (2022年6月撮影)

植物園は個人的には好きなので、気温(夏は40度近く)を除けばすごく良いところでした。とはいえ、これ以降で紹介するように、周りに自然がいっぱいあるので、目当ての花とかがないとわざわざ訪れるところかというと、また微妙なところですね。

Faust Park

Thornhill Estate@Faust Park (2022年7月撮影)
Thornhill Estate@Faust Park (2022年7月撮影)

セントルイスの西の郊外、Chesterfieldに位置するFaust Parkは、かつて第2代州知事Frederick Batesの土地であったそうです。

当時の家や建物を再現したところの他に、次に述べるButterfly House、そして古式ゆかしきメリーゴーランド(Carousel)があります。

St. Louis Carousel (2022年7月撮影)
St. Louis Carousel (2022年7月撮影)

このCarousel、もともと1921年に作られたものだそうで、1987年にこのFaust Parkに復元・移設されたそうです。近づくとあのなんともいえない音楽が聞こえてきて、どうしてもホラーを感じてしまいます。ゲームの影響を受けすぎですね。

Sophia M. Sachs Butterfly House

Sophia M. Sachs Butterfly House (2022年7月撮影)
Sophia M. Sachs Butterfly House (2022年7月撮影)

Sophia M. Sachs Butterfly Houseは、このFaust Parkの中に位置し、その名の通り、温室の中に大量の蝶が放されているそんなところです。

温室内の蝶 (2022年7月撮影)
温室内の蝶 (2022年7月撮影)

温室自体はそこまで広くありませんが、蝶が大量にいてなんというか不思議な空間です。

Babler State Park

Visitor Center @ Babler State Park (2022年7月撮影)
Visitor Center @ Babler State Park (2022年7月撮影)

Dr. Edmund A. Babler Memorial State Parkは、セントルイス都市圏の郊外に位置する州立公園です。このあたりは、道を少し整備した程度の公園が大量にありますので、ランダムに選んで訪れたものを紹介していきます。

Trail @ Babler State Park (2022年7月撮影)
Trail @ Babler State Park (2022年7月撮影)

ええ、なんともいえない自然が広がっています。Trailがたくさんあるので、自然の中を歩くのにはよいと思います。ただ、人があまり多くないのでTrailに蜘蛛の巣が大量に張っていたり、本当にここは公園なんだろうか、遭難してないだろうかと若干不安になるところではあります。そんな公園だらけなんですけどね。

Creve Coeur Lake Memorial Park

Creve Coeur Lake Memorial Park (2022年8月撮影)
Creve Coeur Lake Memorial Park (2022年8月撮影)

Creve Coeur Lake Memorial Parkは、地図を見てもわかるとおり、まだ比較的都市部に近い方の公園だと思います。名前の通りCreve Coeur Lakeという湖の周りの公園になっています。

でも鹿は普通にいました。

ピントがあっていない鹿の写真 (2022年8月撮影)
ピントがあっていない鹿の写真 (2022年8月撮影)

湖の周りのTrailは一周できるようになっており、なかなか楽しいです。比較的人も多かったです。

散歩している人も多い (2022年8月撮影)
散歩している人も多い (2022年8月撮影)

入口から一番離れたあたり (2022年8月撮影)
入口から一番離れたあたり (2022年8月撮影)

Klondike Park

Klondike Park (2022年7月撮影)
Klondike Park (2022年7月撮影)

Klondike Parkは、このあたりの郊外に無限にある郡の公園の一つです。かつて珪砂の採石場であったそうで、湖岸が白い砂で整備された、コンパクトながらきれいな公園になっています。ただ、郊外にあるので、空港からでも車で40分もかかる、そんな場所になっています。

Klondike Park (2022年7月撮影)
Klondike Park (2022年7月撮影)

見晴らし台から見える発電所 @ Klondike Park (2022年7月撮影)
見晴らし台から見える発電所 @ Klondike Park (2022年7月撮影)

August A. Busch Memorial Conservation Area

August A. Busch Memorial Conservation Area (2022年8月撮影)
August A. Busch Memorial Conservation Area (2022年8月撮影)

August A. Busch Memorial Conservation Areaもハイキング・ドライビング・自然観察が行える自然保護区です。公園と何が違うのかよくわかりませんが。

Lake 33@August A. Busch Memorial Conservation Area (2022年8月撮影)
Lake 33@August A. Busch Memorial Conservation Area (2022年8月撮影)

ここはたくさんの湖が存在しますので、夕暮れ時とか鳥の観察とかにいいのではないでしょうか。

おわりに

何かやむを得ない理由がなければ訪れることはまずない州だとは思いますが、何かのきっかけで訪問することがあれば少しでも役立てれば幸いです。

それでは、今回のアドベントカレンダーの(自分の担当分の)最後としてきれいに(願わくば)締めることにしましょう。

ミズーリ州のモットーは"Salus Populi Suprema Lex Esto"、日本語では「民の安寧が至高の法であらねばならない」だそうです。まさに平穏な生活という今回のアドベントカレンダーの趣旨に合致しているのではないでしょうか。