幻のoneworld Explorer 2020

このエントリは、ニューノーマル ぴょこりんクラスタ Advent Calendar 2020のために書かれたものです。

oneworld Explorerとは?

3年連続でoneworld Explorerについて書くことになります。これは、航空会社のアライアンスであるoneworldが販売している世界一周航空券です。

これは、ある一定のルールを満たして世界一周する航空券を定額で購入することができるものです。詳細は、上記の公式サイトなどをご参照ください。

第2回oneworld Explorer

実際に、2018年にこの航空券を利用した旅行を計画実行し、その記録を書いてきました。

これを踏まえ、1年の冷却期間を置き、2020年3月から10月にかけて、第2回のoneworld Explorerを用いた世界一周旅行(中断含む)を行うことにしました。

今回の大きな変更点は、以下の通りです。

  • 4大陸に変更し、オセアニアを採用
  • アジア区間を見直し、JLのNRT(成田)-BLR(バンガロール)便新設に伴って、インド(BLR)を採用
  • CXのCX666(YVR(バンクーバー)-JFK(ニューヨーク))便廃止などを踏まえて、北米区間を大幅に見直し、プエルトリコ(SJU)を採用

発行されたe-ticketは下記のような感じです。購入日は書いてありますように、2020/1/26です。

oneworld Explorer 2020年のチケット。1ページ目から2ページ目の途中まで (一部修整)
oneworld Explorer 2020年のチケット。1ページ目から2ページ目の途中まで (一部修整)

ルート

改めてルートと予想されるFOP(ビジネスクラス利用)をまとめてみると下記のようになります。

# Date Flight Number From To Duration Estimated (JL)
1 03/25 JL 773 NRT (成田) MEL (メルボルン) 10h10m 9945
2 03/28 QF 153 MEL (メルボルン) AKL (オークランド) 3h35m 2060
3 03/31 QF 142 AKL (オークランド) SYD (シドニー) 3h40m 1677
4 03/31 QF 1 SYD (シドニー) LHR (ロンドン・ヒースロー) 23h40m 13235
5 05/26 QR 2 LHR (ロンドン・ヒースロー) DOH (ドーハ) 6h50m 4050
6 05/27 QR 341 DOH (ドーハ) LIS (リスボン) 7h55m 4515
7 05/29 QR 344 LIS (リスボン) DOH (ドーハ) 7h10m 4515
8 05/31 QR 739 DOH (ドーハ) LAX (ロサンゼルス) 16h00m 10357
9 07/03 AA 2517 LAX (ロサンゼルス) ANC (アンカレッジ) 5h25m 2937
10 07/05 AA 399 ANC (アンカレッジ) ORD (シカゴ・オヘア) 6h15m 3558
11 07/06 AA 395 ORD (シカゴ・オヘア) SJU (サンファン) 4h55m 2581
12 07/08 AA 1591 SJU (サンファン) DFW (ダラス・フォートワース) 5h20m 2695
13 09/27 AA 2423 DFW (ダラス・フォートワース) JFK (ニューヨーク・JFK) 3h41m 1725
14 09/29 CX 841 JFK (ニューヨーク・JFK) HKG (香港) 16h00m 10051
15 09/30 KA 154 HKG (香港) BLR (バンガロール) 6h00m 3072
16 10/03 JL 754 BLR (バンガロール) NRT (成田) 8h00m 8162
  • FOPの太字は、JLのアジア・オセアニア区間による1.5倍

これにより、合計 85,135 FOPが獲得できることになります。

そして、肝心な効率ですが 9.16円/FOP (税金等除く)、10.20円/FOP (税金等含む)ということになりました。これは、4大陸で値段が上がったにもかかわらず、前回の結果(9.91円/FOP, 11.19円/FOP)を上回る効率の良さということになりました。

なんとこの世界一周をするだけで、JALのJGCプレミアの要件たる80,000 FOPを越えることができるのです!!!

・・・なのですが、JAL便利用分のFOPが足りないため、実はこれだけだと、サファイアすら取得することができないという問題はありますけどね!

ということで、実は、前回の計画編で、「FOPという観点からすると、オセアニアを入れたほうが効率が良い可能性もありますが、価格差がそれに見合うかどうかがわかりません」と書きましたが、少なくとも人力で探して実行可能と思われる範囲では、オセアニアを加えた4大陸のほうが効率が良い結果となりました。

4大陸のなかでは、さすがに日本からの直行便(FOP 1.5倍)が存在するオセアニアを加えるのが一番効率が良いでしょう。アフリカを加えてヨーロッパから南アフリカに行くというのももしかしたら有効なのかもしれませんが・・・。5大陸は・・さすがにどうなのでしょう。

さて、では、このルートのハイライトを紹介していきましょう。

JL 773 (NRT-MEL)

やはりJLの1.5倍区間の中では、当然にオセアニアのほうがアジアよりは距離が稼げることになります。JALが就航しているのは、シドニーとメルボルンですが、次の大陸間移動で使うことになるシドニーを避けて、またより東京から距離の長いメルボルンを選ぶことになりました。

QF 1 (SYD-LHR)

で、どう考えても今回のハイライトはこれです。オセアニアからヨーロッパの移動ですが、SYD-LHRというとてつもない距離を移動する便が存在していることがわかり、これを使わない手はないだろうということになりました。

もちろん、直行便ではなく、SIN(シンガポール)を一度経由する便となります。ただし、同じ便名なので、oneworld Explorerとしても1便としてカウントされることになります。SYD-SIN、SINでの給油、SIN-LHRを合計するとなんと23時間40分かかるというすばらしい便です。

(記憶によれば)2時間、SINで待機することになりますが、それでも約22時間、すなわちほぼ丸1日飛行機に乗っているという相当なエクストリームな体験ができることになります。

DOH-LAXを越えて、13,235ポイントも手に入ります。恐ろしいですね。

JL 754 (BLR-NRT)

2020年新設予定であったバンガロール便です。アジア内では、東京からインドが一番遠いので、東京に戻る路線としては、インド便が一番良いことになります。特に、BLRはDEL(デリー)よりも遠いのもうれしいところです。観光地としては微妙ですが、デリーよりかはいろいろとまだましそうな感じですし。

これだけでも8,000ポイントを超えるのがよいです。

そのほかの特記事項

  • 上にも書きましたが、CX666便がなくなってしまったため、残念ながら北米内の移動ではAA(アメリカン航空)しか事実上使えなくなってしまいました。これに伴い、北米はアメリカのみとなってしまいました。まあ、カナダの航空会社がoneworldにないから必然ですね。
  • 2021年には、AS(アラスカ航空)がoneworldに加入するので、もう少し選択肢が増えるかもしれません。シアトルからの長距離路線がもしかしたら意味があるかもしれません。
  • 一回の飛行としては最長であるQR 739便(DOH-LAX)ですが、前はちょっと古めのB777-200ERでしたが、今は新しいA350-1000になっていたので、非常に快適に16時間を過ごせるかと思います。
  • イギリス→ドーハ→EU→ドーハとすることで、ヨーロッパ区間で中東往復で距離を稼ぎつつ、再入国を短期間で繰り返す動きを避けることができました。
  • 北米で1回しか使えない東西を結ぶ直行便を利用していません。YVR-JFKで3000マイルちょっとなので、どこかで入れられたら良かったのですが、SJUからのAAの直行便がDFWやORDしかなかったので、ここは解なしになってしまいました。

結末

で、チケットを買ったのは、繰り返しになりますが、2020年1月26日でした(この時点では、当然ながらここまでの事態は予想していませんでした。むしろ香港が落ち着くかどうかのほうが心配でした)。その後、どうなったかは、皆様がご存じの通りです。

幸いにして、旅行開始前にもう実行不可能であることがわかったこと、JLなのでちゃんと全額返金してくれたこと(ほかの航空会社だと、(ごねない限り)後日使えるクーポンという形でしかキャンセルしてくれないところが多い)なので、壮大なワクワクが幻と相成ったこと以外は、ダメージはあまり大きくありませんでした。

あとは、別途旅行中断用に買っていたBAで、引退前(といっても4年くらいありましたが)のB747にひさしぶりに、かつ最後の機会として乗れるはずでした。ですが、これもキャンセルとなり、しかも、BAがB747を需要減などの理由により今年にもう全機引退させてしまったので、B747に乗ることはもうないのでしょう。

ということで、ここにチケットやこの計画を載せることを以って、この幻の世界一周計画を供養とさせていただきたいと思います。